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東海第二原発運転差止訴訟 |
2021年3月18日、水戸地裁は、東海第二原発の再稼働を認めないという判断を下しました。
原発の差止めを求める裁判は、「原発に求められる安全性とは何か」を問う裁判でもあります。
これまで原発の差止めを求めて数多くの訴訟が行われてきましたが、それらの訴訟で問題とされてきたのは専ら「事業者にとっての安全」でした。
「事業者にとっての安全」とは、原子力規制委員会の審査をクリアできるだけの安全であって、いかなる事象が生じたとしても当該原発から放射性物質が原発外に絶対に放出されることのないという意味での安全(絶対的安全)ではありませんし、原子力規制委員会もそのような安全を事業者に求めてはいません。
稼働中の原発から放射性物質が大量放出される重大事故を引き起こす要因となりうる事象は自然災害やテロリズムなど様々ですが、こうした事象が発生するか否か、発生するとしてその原発の稼働中に発生するか否かを確実に予測することもできません。
それに対し、ひとたびそのような事故が発生した場合には、少なくとも周辺に住む住民の生命、身体、生活(ひいては人生そのもの)に深刻な損害をもたらしかねない上に、少なくとも原子力損害賠償法上は、その事故の原因が「異常に巨大な天災地変又は社会動乱」によるものであるときには事業者から損害賠償すらなされない仕組みになっています。そうだとすれば、周辺住民からしてみれば、絶対的安全とはいえないまでもそれに準じた安全は確保してほしいと考えるのが通常ですし、絶対的安全が確保できないのであれば万一事故が発生した場合に備えたきちんとした避難計画その他の対策を整えてほしいと考えるのが通常でしょう。
ところがこれまでの裁判では、こうした「周辺住民にとっての安全」は軽視されてきました。
事実、これまでの裁判例では、実現可能な避難計画やこれを実行し得る体制の不備を理由に原発の差止を認めた判決は一件もありませんでした。
そのような中で本判決は、原発技術や被害の特異性を踏まえ、「原発に求められる安全」とは、「事業者にとっての安全」すなわち「原子力規制委員会の審査にクリアできるだけの安全」だけでは足りず、さらに実現可能な避難計画やこれを実行し得る体制も整っていなければならないとしたのです。
これまでの裁判例の傾向を踏まえれば、この判決の内容は画期的なものといえます。
当訴訟団は、この判決で示された内容を守るとともに、さらに発展させていくべく、今現在、控訴審の準備を進めています。
引き続きのご支援・ご協力のほどよろしくお願いいたします。
(弁護士 鈴木裕也)
東海第二原発差止訴訟団の法廷闘争の様子は、訴訟団ホームページにて随時ご報告しております▼
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